外壁塗装の下地処理についてご紹介!!

外壁塗装の下地とは、元の下地(素地)や旧塗膜のことを指します。このような下地を補修・強化して、塗装面の状態を整えるのが【下地処理】です。家の周りに足場を掛けた後、高圧洗浄して汚れを落とし、下塗りを行う前に下地処理をします。では何故下地処理が必要なのでしょうか。


下地処理は防水性と耐久性を高める重要な工程です。いざ塗装工事を開始するとなった時に塗料をそのまま壁に塗ればいいという訳ではありません。壁面に

付着しているホコリやサビ、旧塗膜から浮き出た顔料、排気ガス汚れ、苔・藻などを高圧洗浄で洗い落とします。そして、ひび割れの補修・ケレン作業などをします。下地処理をせずに塗装すると、塗膜が剝がれていた部分やひび割れ

(クラック)が発生していた部分は、塗料が均一に付かないため仕上りに影響してしまいます。また、せっかく良い塗料を使用しても、きちんと下地処理を行わないと内側の古い塗装が剝がれてしまい、新しい塗膜の耐久性が失われてしまいます。下地処理を行わないと、ひび割れの再発・塗膜の剝離が起こってしまいます。


外壁下地処理の作業内容


ひび割れ(クラック)の場合

塗装してから時間が経過すると、ひび割れ(クラック)が発生しやすくなります。クラックの多くはモルタル壁や鉄筋コンクリート壁に出来ることがほとんどなのですが、サイディング壁にも発生します。クラックの主な原因は、塗膜の劣化や地震、乾燥、家を建てた時の欠陥や設計ミスなどが考えられます。


またクラックには2種類あり、髪の毛ほどの細いひび割れを指す【ヘアークラック】と名刺などの厚さの物が楽に入る【クラック】に分けられます。ヘアークラックは塗膜に生じている場合がほとんどで早急な補修は必要ありませんが、クラックは外壁の致命的な所まで届いている場合があるので早めの対処が必要です。


外壁のクラックの状態が進行すると、お家の寿命を短くする事につながるので、クラックを軽視しない方が良いでしょう。だからといって、即日対応しなければならないという訳ではありません。


では、クラックを放置するとどうなるのでしょうか?。


クラックから建物の中に、雨水が入ってしまい雨漏りを引き起こしてしまいます。サイディング壁やモルタル壁の中にには、壁が薄く雨漏りが起きやすいものもあります。


鉄筋コンクリート造の建物は、クラックが発生すると内部の鉄筋へ影響を与えます。雨水などが鉄筋に触れるとサビが出て、鉄筋の効力が無くなってしまいます。鉄筋コンクリート造は強靭な強さがありますが、鉄筋の効力が失われるとコンクリートの圧縮の力のみしか発揮出来なくなります。更に、鉄筋コンクリートの内部に水が入っていくと、水分が膨張して、鉄筋コンクリートが破壊されていきます。


モルタル外壁のひび割れに対する下地処理について


モルタル外壁は、セメントと砂(細骨材)と水を練り混ぜて造る外壁のことです。


既存のクラック部分を専用の機材にて、カットした断面がU字になるようにカットします。クラックの中はガタついているため、補修材が均等に行き渡らず直ぐに破損してしまう恐れがあります。その様な状態にならないようにするために、カットの幅・深さを10mm程度確保します。クラック部分を乾燥させ、ホコリを清掃後、使用するシーリングのプライマー(接着剤)を塗布します。モルタル外壁よりも少し低くコーキングを充填します。充填後、直ちにヘラで押さえて表面を平滑にします。コーキングに接着剤を塗布し、既存の外壁の高さに合わせるように防水モルタルを塗布してコテなどで平らに仕上げます。


モルタル外壁のお家にお住まいの方は0.3ミリ未満のヘアークラックが外壁にないかを確認し、ひび割れが軽度の段階でしっかりとした下地処理をおこない塗装する事をお勧めします。


サイディング外壁のひび割れへの下地処理の手順



ひび割れ部分を清掃します。まずはカッターなどでV字に削り溝を作ります。その後、ひび割れ部分を刷毛などを用いてキレイに清掃して、汚れやゴミなどを除去します。清掃が完了したら次はプライマー(接着剤)を塗布します。プライマーはシーリングと下地との接着力を高める役割を担う工程です。シーリングを充填して、ひび割れの箇所を埋め、ヘラを用いて平らに成形し、しっかり防水する事が大切です。その後モルタル等で表面を埋め戻し、平らな仕上りにしたあと、塗装によって保護します。


サイディングのシーリング(コーキング)補修のや

り方


シーリングとは、何?

シーリングとは、外壁材と外壁材のつなぎ目の部分を指し、主にサイディングの外壁やALCの外壁などに見られ、コーキングとも呼ばれています。建物は建物全体の歪みやボードの伸縮によって日々微かに動いているため、つなぎ目となるシーリングはそのボードの動きに追従し、揺れを緩和させる役割を持つため柔軟性が必要です。シーリングの劣化はシーリング材に含まれる可塑剤(かそざい)が原因に挙げられます。可塑剤は長年紫外線を浴びると、気化して外に放出され、年々柔軟性が無くなっていくことで、ひび割れを起こしてしまいます。さらに、硬化してすき間が出来てしまいます。


シーリングの補修は「打ち替え」と「増し打ち」があります。打ち替えはすでにあるシーリングを切り取り、新しいシーリング材を補填していくもので、増し打ちは既にあるシーリング材をVカットして上から新しいシーリング材を充填する方法です。増し打ちは入隅とか窓回りなど、コーキングを切り取るとボードを傷つける恐れがある場合に行います。


まず、コーキングをカッター等で切れ目を入れペンチを使って既存のコーキングを撤去します。この際傷んでいる部分だけではなく、全てのコーキングを撤去します。コーキング材を撤去後、目地底にバックアップ材を戻します。切れたり、老化している場合は新規にバックアップ材を施し、コーキング材の三面接着を防ぎます。


養生テープを用いて、コーキングに近い外壁部分の養生作業を行います。コーキングのはみ出しを防ぎ一定の厚みで打ち替えを行うガイド役になる為非常に重要な作業です。その後、サイディング本体の補修と同様に、プライマー(接着剤)をサイディングの側面に塗布します。そして、コーキング材を入れていきます。その後ヘラ等を用いて厚さを均一にして平滑にしていきます。きちんとしないと、コーキングがはねて髭みたいに飛び出してしまいます。


ケレン作業


鉄部のサビや汚れを落とす作業が「ケレン」です。主に屋根の板金や金属の手すりといった付帯部分のサビを落としますが、外壁塗装では木部やサイディング部などにも行います。ケレン作業が重要となる理由は次の3つです。


①塗料を長持ちさせる

②塗料を密着させる

③見た目を美しくする


ということが挙げられます。


どんなに優れた塗料を使っても、ケレン作業がおろそかになるとせっかくの外壁塗装も長持ちしません。


使用する道具


ケレン作業はその時の状況で使われる道具が異なり、電動工具の場合、ディスクサンダー・サンダーが使用されます。これは刃の部分を付け替えて、自在に使い方を変更できるものです。


手作業で行なうケレン作業の場合に最も多く使われるのが「紙やすり」で研磨紙やサンドペーパーとも呼ばれています。小さなデコボコ補修や、規模の小さい塗膜やサビを落としたり、表面の仕上げにも使用されます。


更に「ケレンハンマー」という、特殊な形状のハンマーも使用して、細かい部分の汚れや塗膜などを取り除き、角状の方で汚れを一気に落とします。他に塗装やサビを剝がす作業に使われる「スクレーパー」、サイディングの目地のシーリング材を取る「皮すき」、

紙やすりで処理出来ないすき間やデコボコの部分には「ワイヤーブラシ」が使われます。


金属(錆)のケレン作業


まず、鉄部の旧塗膜をケレン工具を使用して除去します。そして、ワイヤーブラシやサンドペーパー等で発生しているサビを十分に除去します。ウエスで汚れを拭き取ります。ケレンで出た削りカスが付着したままだと塗料の密着性が悪くなってしまいます。


木部のケレン作業


軒天上やウッドデッキ、ぬれ縁など木が使用されているところも塗料によって塗装されています。木部に使用される塗料は表面に膜厚をつける「造膜タイプ」のものと、木材に浸透させて給水を防止する「浸透タイプ」のものがあります。


造膜タイプの塗料が残っている場合、再塗装時に塗料がのりにくいので、サンダーで落とします。研磨する事で木材と塗料の密着が良くなるので、浸透タイプの塗料の場合でも研磨する事をお勧めします。軒天上など一部の木部では造膜塗料の密着性を高めるために、目の細かいやすりで木部の表面を目荒しします。


目止め(めどめ)


目止めとは、目止め剤を使用してひび割れを埋めたり、表面を滑らかにする下地処理の事で、塗装した面が下塗り材の過剰な吸込みを防いだり、塗料の密着性を高めることができます。目止め剤には、水溶性や油分に強いもの等色々な種類があります。


実際に目止めを行う注意点は何でしょうか。


まずは現在の劣化具合、下地の厚みがどれ位かを確認します。理由は塗装面の材質によっては塗料の吸い込みが激しく、下塗りの意味が無くなってしまう可能性があり、色むらの原因にもなるからです。特に、リシン壁は吸い込みが激しいのでしっかり目止めをしておくのが重要です。


下地処理を行わないと起こる症状について


ひび割れ(クラック)


原因は塗膜が劣化したことはもちろん、塗装作業が不十分だった事も考えられます。作業中に、きちんと乾燥されていないまま上塗りしたり、塗膜の上に硬い性質のものを塗っているとヘアークラックが起こりやすいと言われています。


外壁材に起こるクラックには、症状が軽く浅いものから重く深いものがあります。モルタルの乾燥が原因でできるひび割れ(乾燥クラック)・建物の欠陥や歪みで生じるひび割れ(構造クラック)・塗装作業が中断または後から追加したことで起きるひび割れ(縁切りクラック)などがあります。


塗膜の剝離



塗膜の剝離の原因は様々な事が考えられます。


下地処理をしていない

高圧洗浄やケレンなどの処理が不十分だと、塗料が密着せず剝がれやすくなります。


下塗りをしていない

上塗りだけでは塗料が密着しづらく剝がれやすくなります。見た目では分かりずらいですが、実は下塗りをしていないという業者もいるので、金額だけで見積もりを判断しないようにしましょう。


乾燥時間を守っていない

塗料を塗った後、乾燥していないのに塗装したり無理やり乾燥時間を早めたりした可能性があります。下塗りをした同じ日に中塗り(上塗り)はしない方がいいです。


汚れがきちんと落ちていない

高圧洗浄をきちんとしていないため、剝がれかかった古い塗膜が取れていなかったり、表面に油分、ホコリ、カビ、水分が残っていたまま塗装している可能性があります。


塗料の不備があった

水性塗料を規定より薄めて使用した

2液性の塗料で硬化剤の分量が少なく、硬化不良を起こした

外壁材が塗料にあっていなかった

最低塗布量を守っていなかった

下地に適していない塗料を使用した  等々


温度や天候管理をしなかった


雨天の場合にも塗装したり、温度や湿度を守らずに施工してしまった可能性があります。(塗り終わって、概ね2時間以上たてば少し雨が降っても大丈夫です)


まとめとして


下地処理と聞くと地味な作業に思えますが、外壁塗装を美しく仕上げて長持ちさせるために欠かせない工程です。外壁塗装は下地処理がされていないと、どんなに高級で高性能な塗料を塗っても本来の効果は発揮されず、初期不良に繋がる可能性があります。外壁材や劣化の状況によっても下地処理の仕方は違いますが、どんな形であってもきちんと下地処理を行うことが重要です。


但し、いくら下地処理の大切さを理解しても、施工業者がしっかり作業してくれないと意味がありませんので、業者選びの際にはどういう下地処理をしてくれるかを確認して、信用できる所を選びましょう。


エコハウジング周南では、お客様に施工内容、使用する塗料の種類など分かりやすくご説明させていただきます。


外壁(屋根)塗装の事なら弊社にお任せください。